地雷踏み隊は今日もゆく
名作を読んで浮かれている時にこそ地雷は踏んでしまうものです、いやホント恐ろしい。
今回扱き下ろしたいと思っているのは、「さちの世界は死んでも廻る」です。
女の子と男の子が付き合うことになりました。しかし女の子は事故で死んでしまいゾンビとして蘇ってしまいます。そしてなんと男の子はゾンビハンターだったのです。二人の恋の行方や如何に。
と、そこだけ見ればありがちとか王道とか言える設定なのですが、この後の登場人物の心の動きが全く理解出来ません。こんな感じ。
男の子がゾンビを狩ろうとしたところ、そのゾンビは女の子だったものですからなんとか思いとどまり、ゾンビハンターの組合の方針に逆らってでも彼女を守ることを誓います。しかしながら復活した彼女には何故か男の子への思慕の情は残っていませんでした。そればかりか殺されかけたことに対して異常にムカついたので、自分から告白したくせにこっぴどく振ってしまいます(ちなみに告白からこの場面まで1日経っていません)。根がドMなのかむしろ盛り上がってしまった男の子はさながらストーカーのような執念で女の子に付き纏います。
一方女の子は早速新しい恋を探しに出掛けますが、転びそうになったところを助けてくれた少年に一目ぼれしてしまいます。この少年というのがストーカー元彼の弟でありまして、弟は彼女の兄に対する仕打ちに憤慨し、色仕掛けで彼女を嵌めてぶっ殺すという作戦を立てていたのでありました。首尾よく女の子を捕獲した弟ですが、女の子がやたら強く、返り討ちにされてしまいます。この罠を元彼で現ストーカーの兄の差し金だと勘違いした女の子は、彼を呼び出します。呼び出された彼は訳の判らないまま彼女と対峙することに。ストーカー並の執念で彼女に執着していた彼ですが、目の前で弟を殺されそうになり流石にブチ切れです。
なんとか彼女にとどめを刺すだけ、という状況まで持っていった兄ですが、ここで弟からまさかの「待った」コール。色仕掛けの発端となった(転びそうになったのを助けてくれた)男の子は実は兄で、自分はその状況を利用して君を騙したんだ、だから君が好きなのは兄で間違いないんだ、ということだそうです。忍法かなんかで兄を兄と認識出来ないようにしていたようです。
「なーんだ。じゃあ私たち(僕たち)また付き合おっかー。」めでたしめでたし。
これでも頑張って要約したんですよ?
読み終わった僕がまずしたのはというとラノベ読みの友人にこの作品の危険性を伝えることでした。被害者を増やしてはいけません、悲しみの連鎖はどこかで断ち切るべきなのです。
実は前に書いた「学園カゲキ」という作品とこの作品、同じレーベルから発売されています。僕はこのレーベルの作品をこの2作しか読んでいないのですが、今までの読書歴の中でワースト2と言っても良いくらいのクオリティーに驚きです。ラノベってやっぱりテンプレートをなぞっただけの作品とか萌えオタに媚びて売ろうとしてる作品とか多くて、とても全体的なレベルが高いとは思いませんが、それでも他のレーベルはここまで酷いもんを出してこねえぞ、と。地雷踏みにも色々あって、アレとかソレとか確実に人様にお薦めできるクオリティーは持ち合わせていないけれど、楽しく扱き下ろせる地雷というのもありまして、そこら辺がラノベの持っている魅力だったりする訳です(気が向いたらそのうち紹介します)。せめて面白い駄作を出せるようになってくださいガガガ文庫さん。じゃなけりゃマニアックながらも意外と良作の多いGA文庫と名前が紛らわしいんでとっとと消えてください。


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