前作「ルピナス探偵団の当惑」はこれのための布石だったのかと思うくらい素晴らしい。
主人公たち学園卒業後の姿が描かれた今作は、仲間の一人が亡くなる前に残した謎を解く一作目から、学園の卒業時まで時系列を遡るようにして構成されていて、最初は首を傾げたのですが、最後まで読むとその読後感の素晴らしさにとても爽やかな気分になります。そして本書の最初に戻って少し憂鬱な気分になってしまうのですが…。
キャラの立ち位置が前作と少し変わっているのも見所で、探偵と探偵にインスピレーションを与える役を交互にこなしていた主人公彩子と祀島くんは、その役目を固定し、今作では完全に祀島くんが探偵役となっています。彩子はなんだか狂言回しのような役回りです。
まあミステリ的な役回りはそうなっているのですが、やっぱり今作は「ルピナス探偵団」こと4人の友情ものとして読んだほうが面白いと思います。一作目でいきなり死んでしまうのが、前作でいまいちキャラがぱっとしてなかった摩耶なのですが、今作はこの子が大車輪の活躍を見せます。特に3作目のラスト、摩耶が犯人に詰問するシーンの台詞回しは鳥肌ものです。ココの部分に本書の友情ものとしての意義が集約されてくるのではないかとも思います、4作目のラスト、つまり本書のラストもかなり捨てがたいですが…。
とまあ、基本的にはベタ褒めなんですけど、1作目以外は事件(謎)が添え物っぽいという印象もありましてそこが残念といえば残念かなあ。
一作くらい長編で読んでみたいシリーズではあるのですが、多分もう出ないよなあ。
最近のコメント